自民党の岸田文雄・政調会長は8月24日の記者会見で、
皇位の安定継承について問われた。それへの回答は
「男系天皇を維持してきた歴史の重みは強く感じる。
重みを受け止めて考えていきたい」
というもの(共同通信8月24日、20時19分配信)。事実上の無回答。
今さら「考えていきたい」とは何事か。
これまで、日本の将来にとってこの上なく大切な同テーマについて、
“何も考えて来なかった”と告白したに等しい。
もし、明治以来の「男系男子」の“縛り”を維持しながら、
皇位の安定継承を図る方策が
あると本当に考えているなら、それはそれで1つの立場だ。
自分なりの具体策を述べれば良い。
そうすれば、その中身が妥当かどうかはともかく、
少なくとも議論の対象にはなり得る。しかし、これまでの「男系」の縛りに固執していては皇位の安定継承は望み難い、
というのがそもそも、この問題の出発点だった。
にも拘らず、その出発点“自体”を理解しているとは思えない回答ぶり。
呆れた。安倍首相は、暫く後継者の有力候補に岸田氏を想定していたものの、
近来、それは無理らしいと考え直し始めている、との情報も流れている。
勿論、「ポスト安倍」の人選に安倍氏自身がどれだけ主導権を握れるかも、
不透明になりつつあるが、いずれにしても、同じ「ポスト安倍」絡みで
名前が挙がっていても、河野太郎・防衛大臣とは政治家としての
責任感が違い過ぎる。【高森明勅公式サイト】
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